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常に最善の結果を出したいと思っていても、それを阻む要素が1つあります。
それは誰もが経験したことのある「失敗」です。
失敗をしない人は周囲から認められ、やがて大切な仕事も任せられるようになります。
それじゃあ失敗をしないようにするには何をすればいいの?
これを問われると直ぐに応えられる人は意外と少ないようです。
結論から言うと、念のための思考を使って失敗を無くします。
今回のテーマは「知って得する念のための思考」です。
・失敗は成功の基
・人は失敗する生きもの
なんて言葉もありますが、誰も失敗したくて失敗している訳ではないですよね。
失敗した事を今後にどう活かしていくのかといった「教え」なので、失敗そのものが良いわけではありません。
この記事で学べること
・念のための思考の効果と注意点
・具体的な考え方
・念のための思考を磨く為の5つのポイント
念のため思考の効果
まず最初に念のため思考の最大のメリットを説明しておきます。
それは
失敗がなくなり信用されるようになる。
ということです。
仕事において何が1番のリスクであるかを考えてみてください。
それは
失敗することで会社(上司、先輩、同僚、後輩、部下)や顧客(利用者、家族)から信用を失ってしまうことです。
小さな失敗を繰り返していてもだめですが、大きな失敗をしてしまうと内容によっては一発退場になる場合もあります。
(※失敗を恐れずチャレンジできる環境作り。などとは別議論になってきますので、この記事では失敗しないようにすることにフォーカスしていきます)
周囲からの信用がなければ仕事は上手くいきません。
これってとても苦痛なことですよね。
それでも人は必ず失敗(ミス)をする生き物です。なぜなら高い集中力や注意力はいつまでも継続しません。
なので「はじめから失敗するものだという認識」で仕事と向き合う必要があります。
じゃあ何をしたらよいか?
これが今回のテーマである「念のための思考」です。
念のため思考を実践することで以下のような場面に遭遇する機会がゼロになります。
・計画していた通りに物事が進まない
・想定外の出来事が発生し、手も足も出ない
・準備不足で上手くいかない
「なるようになるさ」といった場当たり的な考え方もよいですが、それが通用するのは誰でもできるようなレベルの仕事までだと思います。
何かを良くしようと思ったり、現状を変えたいといった思いから発生する取り組みと言うのは、初めてのことに挑戦するような不確定な要素が含まれているからです。
このような仕事を「なるようになるさ思考」では成功させることはできませんよね。
人は必ず失敗をする生き物であり計画とは思い通りに進まないからこそ、念のための思考でたくさんの「計画」を用意する必要がある。ということをインプットしておく事をオススメします。
複数プランを立てておく
まずはどんな仕事にも想定外はあるという意識を持つことが重要です。
「これくらい大丈夫かな」といった楽観的な意識がミスを生み出してしまいます。
そうならないように「最初はありえないだろうと思うような想定外も」できる限りピックアップして、その可能性を潰していく作業が必要です。
だからといって、あれもこれも考えられるだけのプランを立て実行するることなど不可能です。
ポイントは
プランをいくつも用意した上で、その中で最も必要と思われるプランを厳選することです。
介護の現場で発生しやすい想定外を事例にして考えてみましょう。
よくあるケースの代表格として「申し送りの抜け」があると思います。
前置きとして
Aさんが申し送りをすると抜けが多い。なんて愚痴を聞くことがよくあります。
しかしこれをAさん個人の責任として処理をしているようでは、いつまでたっても改善しません。
Aさんへの教育と、抜けを減らすため取組みは別軸だからです。
(※とりあえずAさんのことは置いといて、失敗を無くす念のため思考をやりましょう。)
まずこのケースは
申し送りの抜け = 想定外の出来事 = 失敗
という関係性にあります。
これについて念のための思考で考えてみると、以下のような手段が思いつくかと思います。
・抜けがないよう念を押して伝えておく
・忘れないようにメモや付箋を貼っておく
・複数人に申し送りを聞いてもらう
・次に申し送りを受けるであろうスタッフへ、事前に連絡を入れておく
・申し送りを受けたスタッフから、確認のための返信をもらう
などの細かな配慮ができると思います。
想定外のことへの対処として複数のプランを立てることで、そのリスクは「想定内」になります。
さらにそのプランを他のスタッフと共有することで「失敗しようがない状況を作り出すことができる」のです。
だけど答えは、NOです。確かに出来るだけ多くの想定外を考え、それに対処すべく複数のプランを立てるように伝えました。しかし、その全てを実行できれば理想的ですが現実問題難しいでしょう。
そこで意識しておきたいことは
プランを「厳選すること」です。
つまり、念のため思考は「やろうと思ったら無限にプランが立てられる」ため、場合によってはプランを立てる事に集中して肝心な目的がぼやけてしまいます。
成功に結び付くプランだけを厳選して実行する。
これが念のための思考の重要なポイントです。
念のため思考の注意点
念のための思考は失敗しないための最強のツールであることは間違いありません。
しかし、使い方を間違ってしまえばデメリットが発生する可能性もあります。
大きなデメリットとして2つ紹介します。
1つめは、作業が無限に増えることです。
前章でもふれましたが
ちょっと気が利くビジネスパーソンなら「○○も準備しておこう」となります。
また、
少し用心深いビジネスパーソンなら「○○と△△もあった方がいいな」となります。
さらに、
心配性なビジネスパーソンなら「○○と△△だけでは足りないかもしれない、念のために□□も用意しておこう」となります。
このように失敗をなくそうと準備すること自体が逆効果で、非効率かつ複雑な作業となってしまうため、失敗を増やしてしまう恐れもあるのです。
大切なのは、手段を厳選することにあります。
つまり
プランを厳選し、いかにミニマムな計画(作業)にまとめてしまうか。
ということが重要になってきます。
2つめは、自分本位で考えてしまいがちだと言うことです。
まずはっきりさせておきたいことは、失敗を無くす手段が「念のための思考」だという事と、その目的は「信用」を得られるようになる為であるという事です。
念のための思考に慣れれば慣れるほど精度は向上し、失敗をしなくなります。
しかし
失敗しなければ「何をしてもよい」と言うことにはつながりません。
理由は
そもそもの最終目的は信用を得ることにあるからです。
当然ですが相手から信用を得るためには「相手本位」で考えないといけません。
介護の仕事でいう相手とは利用者、家族、介護スタッフ、医療機関スタッフ、地域の人々、行政など多岐にわたります。
申し送りの事例では、申し送り抜けがあることで利用者や介護スタッフが困ってしまうから複数のプランを立てています。
自分の為だけにやっているという考え方をしていると、結局は空回りしてしまうリスクがでてくるのです。
従来型のと比較した時の視点の違い
ここでは従来の考え方と念のための考え方で、結果がどのように変化するのかを解説します。
ポイントは至ってシンプルです。
【従来型】
トラブルが起きる・・・やり直し、責任追及
想定外が起きる・・・失敗、反省
障害が起きる・・・妥協、成功率の低下
つまり、何事もなく上手くいった場合にしか良い評価はできないことになります。
何か1つでも問題が発生すると成功率は下がり、努力が無駄になる可能性が高くなってしまいます。
【念のための思考】
トラブルが起きる・・・準備していたことで対処できる
想定外が起きる・・・別プランで上手いこと回避できる
障害が起きる・・・協力を得て解決できる、成功率は一定
つまり、どんな事が発生しても上手く回避し、高いレベルで想定していた結果にたどり着くことができます。
念のための思考を磨く5つのポイント
ここでは念のための思考をブラッシュアップさせるべく、日ごろからどんな事を意識すればよいのかを紹介していきます。
①人を責めない
一般的に、何かトラブルが起こると誰かの責任にしたい気持ちになります。
私たちが潜在的に失敗を嫌うようになったのは、日本の文化や会社組織の仕組みが影響していると思います。意識しないうちに自然と身についてしまったものでしょう。
しかし
目の前で起こったトラブルを誰の責任だと言い始めても何も解決しません。
たとえトラブルが起こったとしても、いま必要なことはトラブルを乗り越え、どう成功に導くかです。
何かを成功に導く考え方とは常に建設的でなければいけません。念のための思考とはそういう物だと意識しましょう^^
②最低でも1週間のスケジュール管理をする
優秀な人ほどスケジュール管理能力に長けています。
想定外なことに対処したり、より重要な仕事を後で組み込めるようにスケジュールに「余裕」を持たせているからです。
余裕がない人ほどギリギリのスケジュールを組んでいたりします。
酷い人は出勤してから当日のスケジュールを確認する人もいたりします。
つまり
行き当たりばったりで想定外に対応することなんて最初から考えられていません。
これはビジネスパーソンとしては致命的です。
ボクシングで例えればノーガード状態。
野球で例えればおもちゃのバットでゲームをしている状態。
サッカーで例えればスパイクを履き忘れた状態。
将棋で例えれば飛角落ち状態。
このような状態であれば念のための思考を使ってどうこうの問題ではなくなってしまいます。
③価値観は人それぞれ違うことを意識する
同じ価値観の人間が集まれば効率良く仕事ができて生産性が高くなり、働いている人たちもサービス提供を受ける側にも最善の結果を出すことができるかもしれません。
しかし、現実はそんなに上手くいきません。
特に介護の仕事ともなれば長年にわたり培ってきた生活様式に合わせたサービス提供が必要となります。
さらにスタッフ同士でも個々の家庭で生活様式が違う為「ちょっとした事」でも目につきます。
これは介護の性質上、他人同士が共同して同じ時間を過ごしているわけですから、他職と比べて自分の素が出やすい環境にあるからだと思います。
そんな大小価値観の違いがある人たちのコミュニティで「これが正しい」と自分の価値観に固執していたら孤立するだけです。
価値観は、人それぞれ違ってあたり前なのです。
④任せても期待しない
相手に期待すると、上手くいかなかった時にその原因を相手の中に探すようになります。
これは「①人を責めない」でも説明した通りです。
自分はこんなに頑張っているから、あなたも少しは汲み取ってほしい。
などと相手に求めすぎているようでは念のための思考は身につきません。
理由は
念のための思考は「相手を信じて任せる」ことを前提にしているからです。
人は常に、その人なりに最善を尽くしている。
という気持ちで考えられるようにマインドセットをしておきましょう。
もし期待をしてしまえば、その期待が裏切られたときに冷静な判断ができなくなる恐れがあります。
自分だって相手の期待を超えられない事はたくさんあるはずです。
仕事を任せるし、信じるけど、期待はしない。
難しいですが、だからこそ繰り返し繰り返し心に刷り込んでおきましょう。
⑤目の前の課題に集中する
念のための思考は一見して複数のタスクを同時にこなす高度なスキルのようですが、実際のところは目の前の課題に1つ1つ向き合っているだけに過ぎません。
あれもこれもと色々手を出すのではなく、手段を厳選して、目の前の必要なことに集中するだけです。
シンプルであるからこそ、その効果も大きく、想定外のことが起きた時でも修正が容易になるのです。
最後に
日本人には気遣いや思いやり、真面目さや責任感といった文化、風習的に備わっている気質があります。
念のため思考とは、そういった土台があるからこそできる日本人ならではのスキルではないでしょうか。
完璧な人、優秀な人と呼ばれる人材はどこにでもいます。
そんな人材たちとも対等に渡り合えるスキルは、今回紹介した超地味な「念のための思考」だと考えています。
念のために準備しておく事で想定外に対応できる。
想定外に対応できる事でミスが減る。
ミスが減る事で周囲から信用される。
信用される事で仕事を任せられる。
仕事を任せられる事でチャンスが生まれる。
念のためってすごく大切です。
誰かのお役に立てれば幸いです。
それではまた!