仕事術

職場を壊す不機嫌な人たち【効果的な対処法を現役管理者が考察】

こんにちは、村長のすももです。

介護村アカデミーは、介護士向けにビジネススキルを紹介するサイトです。

実践的でわかりやすく、シンプルをモットーに日々の業務で役立つ情報を発信しています。

ブログ更新のお知らせが届く「Twitter」、何でも相談ができる「LINE」もやっています。

どうぞ気軽にご利用ください。                   すもも




はじめに

不機嫌なあの人さえ何とかなれば、とてもいい職場なのに・・・。

そんな悩みを抱えている人のために本記事を書き上げました。

私が所属する介護事業所にも不機嫌な人はいました。

しかし今では不機嫌な人たちは1人もいません。

「いったいどうやって!?」と知りたくなる人もいると思います。

ひとつはっきりしていることは、管理者の私に高いカリスマ性があったわけではありません。

そんな凡人管理者の私が取組んだことは

・不機嫌な人たちを事業所全体の課題としてとらえ

・不機嫌な人たちの特徴を徹底的に調べあげ

・不機嫌な人たちへの対処方法を統一する

この3つに注力したことです。

例えばひと口に不機嫌な人と言っても、その症状や登場人物は様々です。

怒鳴ったり、無視をしたり、嫌味を言ってくる人もいます。

上司や先輩、部下にもいるかもしれませんし、お局様と呼ばれる古株スタッフだと大変骨が折れることもあります。

私たちは不機嫌な人たちを細かく分類して、体系化してみることでその生態を丸裸にすることに成功しました。

いずれにしても、あなたが仕事のやりづらさを感じているとき、そこには誰かの不機嫌が関係していることは間違いありません。

この記事を読み終える頃には一縷の望みが芽生えていることを切に願っています。

この記事で学べること

・不機嫌な人たちの特徴と不機嫌な理由

・効果的な対処法

・感染対策の重要性

 

【背景の理解】不機嫌な人たちと上手く付き合う必要性を主張します

そもそも「不機嫌」とは何なのでしょうか。

普段から何気なく使っているように思えます。

調べてみると

不機嫌とは、機嫌が悪いこと。また、その様子。

であることがわかります。

もも
もも
以外にもとてもシンプルな言葉ですが良い印象はわかないですね。逆になんだか悪い印象というか、嫌な気分になります^^;
すもも
すもも
そうですね。シンプルな言葉です。でも聞いただけで何だかネガティブな気持ちになってしまう特徴もありますよね。それにはちゃんと理由があるみたいですよ。

ネガティブな気持ちになってしまう理由は

私たちは職場の人間関係からは簡単に逃げ出すことができない事を知っているからです。

不機嫌な人がいる度に逃げ出していたのでは、どんな職場にもいられなくなります。

それほど何処にでも不機嫌な人は存在しています

極端な話、これが友だち関係なら「今後付き合わなければいい」といって逃げ出すことは可能です。

しかし会社の人間関係はそうはいきません。

つまり

不機嫌な人たちと上手く付き合っていくことは、社会人としてやっていくために必要不可欠な能力であるといえます。




【背景の理解】不機嫌を放置できない理由は他人に感染するから

コロナ災禍の中、感染症という言葉を使用することに多少の抵抗がありました。

でもここはあえて不機嫌は感染症であると言うことを発信していこうと思います。

その理由は

不機嫌は他人へと感染するリスクがあるからです。

みなさんは感染症には明確な分類があることをご存じでしょうか。

たとえばインフルエンザや風しん等は「5類型感染症」というものに指定されています。

すもも
すもも
ちなみに新型コロナウイルスは「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」に変更となりました。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の改正について(令和3年2月13日時点)

まさに「不機嫌はこの5類型感染症に相当される」ものと考えられます。

ともすれば事の深刻さにも気づくことができるでしょう。

さらに

私が不機嫌を感染症だと論ずる理由をもう少し重ねていきます。

心理学には「一貫性の原理」というものがあります。

この原理を簡単に説明すると

自分の周囲が楽しい雰囲気のときはどんな出来事も楽しくポジティブにとらえることができます。

しかし

自分の周囲が何だか険悪な雰囲気のときはどんな出来事もつまらなく、ネガティブにとらえてしまうというものです。

このような体験は誰しもあるのではないでしょうか。

 

そこで

 

この原理を意識した上で上司が不機嫌だった場合の影響力を想像してみてください。

立場上ある程度の影響力を備えている分、上司が不機嫌であると多くの人が物事をネガティブに受け取ってしまうようになります。

何か手を打たなければと考えるものの、他人を変える難しさはご周知のとおりです。

さらに目上の人ということで中々手を打てないといったもどかしさもあるでしょう。

そうこうしている間にあっという間に職場の雰囲気は不機嫌一色となってしまいます

 

しかも私たちは介護を必要としている高齢者を相手に介護サービスを提供しています。

ご利用者の心身への影響も鑑みれば、不機嫌という感染症のまん延を防止することは「何よりも優先すべき急務」ではないでしょうか。

すもも
すもも
ここまでのお話を振り返ってみていかがだったでしょうか?不機嫌の対処方法を学ぶことは大変有益だと思っていただけたと思います。

次章から不機嫌を細かく分類していきます。不機嫌への理解をさらに深化させていきましょう^^

 

【不機嫌の種類】まずは誰(何タイプ)と戦うのかを知ることが最優先

ひと口に不機嫌といっても様々なタイプがあります。

当然タイプによって対処方法も大きく異なります。

細かく分類しすぎるとかえって分かりづらくなってしまうため、ここでは以下のように厳選して5つのタイプにまとめています。

  1. 周囲への気遣いができない無神経タイプ
  2. 他人より少しでも優越感を感じていたいマウントタイプ
  3. 損得勘定に過敏に反応する利益独占タイプ
  4. 相手を見て態度をコロコロ変える豹変タイプ
  5. 取説が存在しないメンタルヘルスタイプ

 

不機嫌から自分や誰かを守るためには不機嫌を知ることが重要です。

そしてそれは大きく5つのタイプにわかれています。

「いるいる!こんな人!」

「だからあの人は不機嫌だったのか!」

なんて風に読んで頂けると嬉しいです。

全体像が把握できたところでさっそく細かい部分をみていきましょう。




【タイプ別 対処法Ⅰ】周囲への気遣いができない無神経タイプ

「特徴」

このタイプに分類されるのは、周囲への気遣いや思いやりが基本的に欠けています。

優し目に言うと「空気が読めない人たち」です。

厳し目に言うと「共感力のないコミュ障の人たち」です。

 

他人がどう思っているかよりも、自分の感情をどストレートの表現する傾向にあります。

しかし、本人たちは自分の感情に従っているだけであり、悪意がない場合もあります。

 

「対処法」

「もう少し周囲のことを考えて気を遣ってほしい」という甘い期待を完全に捨て去ることです。

良くも悪くも彼らは「自分の意思」が強い傾向にあり、中には確固たる理想のイメージを持って働いている人もいます。

こちらの思い通りに動いてほしいと先手を打つと逆鱗にふれてしまい、その後ずっと不機嫌になる恐れがあります。

 

そのため

 

彼らが何にこだわっているのかを察知したり、その人をうまく中心にそえて物事を回していくように配慮すると上手くいきます。

 

たとえば、やたらとキレる上司がいたとします。

「どうしてわからないんだ!」と大声を出したり、表情や態度であからさまに訴えてきます。

こんな人も周囲への気遣いができない無神経タイプの人です。

放置しておくと職場全体が萎縮して何も言えなくなってしまいます。

そこでこだわりの強さに着目し「さすがですね」など褒めたりおだてて機嫌をとるのが有効でしょう。

 

しかしどうしても譲れない案件の場合であれば

会社のルールや目上の人を動員して「誰もが従わざるをえない状況」を作り出すことをおすすめします。

また、感情的になりやすい性質があるため普段はうまくこだわりを褒めて機嫌をとりますが、いざやり合う際には1対1を避けて数や圧倒的な権威で押し切る

これがマストな方法です。

 

【タイプ別 対処法Ⅱ】他人より少しでも優越感を感じていたいマウントタイプ

「特徴」

このタイプに分類されるのは、常に自分が優位に立ちたいという強い承認欲求がベースにあります。

優し目に言うと「自分が大好きな人たち」です。

厳し目に言うと「認められない不満から他者を蹴落とそうとする人たち」です。

 

とにかく上から目線で嫉妬心が強い傾向にあります。

見た目は派手ではないのですが、地味な口撃がネチネチと繰り返され悪意ある行動をとります。

 

「対処法」

「相変わらずだな」と心理的距離をとるほうが現実的です。

優越感を感じたいマウントタイプの人の多くは認められたい欲求があるのに、実際は認められていないという不満が強く、常に仕事がデキる人の出現を恐れています。

心理学にも「優越の錯覚」という用語があります。これは人は誰でも自分は周囲よりも優れているという思い込みがある。というものです。

こういった思い込みも強く、自分の自尊心を満たす言動が習慣化されています。

敵に回すとやっかいなタイプであるため、味方になってもらう方が得策です。

 

たとえば

 

「何でも知っているのですね」や「〇〇さんにしか頼めないことがあります」などの自尊心を上手く刺激し、満たしてあげるようなアプローチが効果的です。

上手くいけば最高のパフォーマンスをもって仕事に取組んでくれます。

 

あなたが防戦一方の立場だったとして、もしネチネチと嫌味を言われているのであれば「仕事ができる私がうらやましいのかな」や「むしろ褒め言葉だな」と勝手に脳内変換してやりましょう

そうすることで嫌味も気にならなくなってきます。

 

争うだけが手段ではありません。試してみる価値はあると思います。




【タイプ別 対処法Ⅲ】損得勘定に過敏に反応する利益独占タイプ

「特徴」

このタイプに分類されるのは、強い独占欲があり目の前のメリット・デメリットだけを見て動く傾向にあります。

優し目に言うと「自分が大好きな人たち」です。

厳し目に言うと「目の前の出来事しか見えておらず、思慮の浅い人たち」です。

 

基本的には自分の事しか考えれないので将来的なビジョンは持っていません。八方美人だったり、人望がない人たちが多く所属しています。

普段はあまり目立たないのですが、自分が損をしそうになると過剰に反応し行動してしまうので、あとあとトラブルを引き起こしてしまいます。

 

また

 

心理学でいう「快感原則」にそって、今を遊びたい、今をらくしたいという近視眼的な心の動きをしています。

 

「対処法」

このタイプの不機嫌に対抗するには「現実原則」の言動をとるように心がける必要があります。

「快感原則」とは全く逆の「現実原則」の考え方は、長い目でみたときにはどうした方が有利になるかを考えなくてはいけません。

そもそも本気で相手にしない方がよいタイプの人間であり、うっかり深く入り込み過ぎるといつのまにか裏切られています。

 

このタイプはドラえもんに登場するスネ夫をイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。

 

もともと優秀な人間ですが、強いものに媚びたり状況に応じて手のひらを返してきますので、こちらも周到な準備や警戒心をもって付き合っていってください

心から信用できる人ではないと考えて

注意しながら近づくときは近づく、離れるときは離れるといったバランスを意識した立ち振る舞いをしましょう。

 

【タイプ別 対処法Ⅳ】相手を見て態度をコロコロ変える豹変タイプ

「特徴」

このタイプに分類されるのは、相手を選び強く出たり、大人しくしたりと態度の豹変が激しい傾向にあります。

優し目に言うと「一定の配慮力のある人たち」です。

厳し目に言うと「ひどい二面性があり、腹黒い人たち」です。

 

立場が上の者の前ではしっぽを出すことはなく、立場が下の者には見下した態度をとったり、やつあたりをしてきます。

 

やられる側からすればなんとか上司に注意をしてほしいのですが、なかなか尻尾を出しません。外面がよい人という表現がぴったりだと思います。

 

「対処法」

特定の人物の前ではいい格好をする傾向にあるため、可能であれば特定の人物に同席してもらうことが定石です。

または特定の人物まではいかないが、それに準ずる人物を同席してもらうように工夫してみましょう。

たとえば

特定の人物と仲の良い人物などのことです。

 

これは「見物効果」を活用した対処方法です。

見物効果とは

人は他人に見られている場面では良いところを見せてやろうなど、ひとりのときとは違った行動を取るというものです。

たとえば家族が面会に来た時のことをイメージしてみてください。

家族の目があるのでスタッフはいつもより声かけの言葉を優しくしたり、悪くみられないような行動をしているはずです。

 

楽観的にみればこれまで紹介したどのタイプの人たちよりも「はっきりしていて分かりやすい」とも言えるでしょう。

とにかく不機嫌をぶつける相手がはっきりしているため、意外と対処がしやすいです。

 

ただし

 

このタイプの不機嫌さんに対して守りはオススメできません

 

なぜなら弱いと思った相手には容赦なく攻撃してくるからです。

我慢していても改善する可能性は0なので、攻勢にでる必要があることを念頭においてください。

 

具体的には徒党を組んで数で対抗してみたり、尻尾をつかんで上層部に相談してみることです。

 

中間管理職の人たちは「特定の人物」であることが多いため、不機嫌な態度を見たことがなかったりして手が出せないケースがあります。

上司に頼れそうにないときは

味方を集めることと、中間管理職の人たちよりも更に最高権威にある人たちを味方につけることを意識してみてください。




【タイプ別 対処法Ⅴ】取説が存在しないメンタルヘルスタイプ

「特徴」

このタイプに分類されるのは、ホルモンバランスが崩れているといった生理的な原因だったり、鬱などの医学的な原因で不機嫌になっている人たちです。

 

「対処法」

こればかりは具体的な対処法はなく、あったとしても人によって違います。

職場の人間だけで解決を試みようとする方が高いリスクとなるタイプです。

その理由は、性格や人格が原因ではないからです。

 

ただし、スタッフの中には「ただの甘えだ」や「自己管理がなっていない」などの厳しい意見があることも事実です。

甘えなのか、病気だから仕方がないのか、などの不毛な議論が改善につながることは限りなく0です。

中途半端が一番よくないので「専門家による解決」に頼ることがよいでしょう。

 

また、理解を示すことが不機嫌を緩和させることもあります。

 

大変デリケートな問題を含んでいることが多いため、考えなしに「病院に行った方がいい」と伝えることは基本的にNGです。

言われた方はまるで厄介払いをされているように感じてしまうこともあります。

 

改善を焦らず、時間をかけて解決していく問題だと腹をくくってのぞみましょう

 

ですが

 

なかには「そんな悠長なことは言ってられない」といった意見もあがってくる可能性があります。

そうだとしても

そのようなときは、なによりもまずは話し合いが必要となってくるでしょう。

 

最後に

この記事を最後まで読んで頂いた方は不機嫌な人たちは単純に怒りっぽいだけではないことに気づいていただけたかと思います。

それこそが改善の入口です。

 

とはいえ残念ながらここに書いてある通りにすれば解決するといった単純なものでもありません。

それほど不機嫌な人たちとは厄介なものです。

 

なぜなら

 

介護の職場にいる不機嫌な人たちといえば上司やお局様のように「一定の影響力がある」人たちであることが多いからです。

 

パワーバランスや人間関係が出来上がってしまったコミュニティの中の取組みは体力や精神力が削られてしまうかもしれません。

しかし

それでも不機嫌な人を根気よく分析し、対処していくことで「今より働きやすい職場に近づける」ことは間違いないのです。

不機嫌な人たちと上手くやっていく能力を身につけることができれば、豊かなの職場ライフがまっています。

 

最後の最後になりますが

あなた自身が不機嫌に感染してしまい、周りの人たちを嫌な気分にさせてしまわないように注意することを忘れないでください。

 

ミイラ取りがミイラになっては元も子もないのです。

 

筆者の私もこの文章を自分自身へのメッセージとして綴ります。

 

今回は不機嫌な人たちの対処方法についてでした。

 

誰かのお役に立てれば幸いです。

 

それではまた!