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数年前にスローライフという言葉が話題となりました。
人間関係にとらわれず、責任にとらわれず、時間にとらわれることもなく。
総じて、現代社会のストレスにとらわれない生き方。
とても魅力的でキラキラしていますよね。
しかし本記事は、そんなスローライフとは真逆のお話です。
唯一人間に平等に与えられているものは時間と言われています。
お金持ちでも、有名人でも、どこかのすごい社長さんでも、そして私たち介護士も、ひとしく1日は24時間です。
そんな限られた時間の中で「時間をどれだけ有効活用できるのか」にフォーカスしていきたいと思います。
今回のテーマは「時間の使い方を考える」です。
時間術とは、なにも自分だけに有用なスキルではありません。
たとえば
仕事ができる人材(上司、先輩、部下、同僚など)に最高のパフォーマンスを出してもらうため、自分の時間配分を変更したり、ちょっと仕事が遅い新人さんに時間を意識してもらうための教育にもなり得ます。
つまり、介護で必要なチームの成長を見据えた将来性のあるスキルです。
ぜひ、この記事を読んでみることをおすすめします。
この記事で学べること
・成果を出すための時間術
・時間をポートフォリオ管理する考え方
・時間をその場しのぎに使わない考え方
介護現場で陥りやすい、間違った働き方
国が「働き方改革」の御旗を振り始めて、しばらくが経過しました。
その結果、多くの企業が効率化や生産性向上に取り組んでいます。
しかし、介護分野は「おいてけぼり感」がすごくないでしょうか。
つまり
個人が自分の努力で仕事の生産性を上げないといけない。
という間違った考え方です。
個人の頑張りに依存することは間違いであり、必要なのは
組織全体で時間を効率化する仕組みを作ることです。
・自分1人だけ頑張っていて、いつも損している
・私だけきつい思いをしているのに、誰もサポートしてくれない
・このまま1人だけ頑張っても身体がもたない、辞めよう
こんな風に思ってしまう原因は、まさにここにあります。
個の頑張りに依存することがあたり前になっており、組織全体で作業スピードをあげ、最短の時間で最大の成果を出す仕組みがないのですから、あたり前です。
このような悲劇を少しでも減らすための方法として、事項から「時間の使い方」を解説していきます。
時間には2パターンある
まずは、時間の使い方の考え方から解説していきます。
タイトルの通り、時間の使い方には2つのパターンが考えられます。
1つ目は「浪費」です。
浪費とは、必要以上の贅沢や、無駄な出費を指します。
つまり、現在の幸福感は高めてくれますが、将来の幸福度には関係なく、かつ資産とならないものです。
2つ目は「投資」です。
投資とは、将来の資産を増加させるために行う、現在の資本を投じる活動を指します。
つまり、現在の幸福度は下がるかもしれませんが、将来の幸福度を高めるものであり、かつ資産となります。
ある日の通勤時間中に、スマホでゲームをしたり、SNSをチェックしたりしながら過ごしていたとします。
その時間は楽しいので、幸福度は高まると思います。
しかし、その活動は将来的に何らかの資産となって残るものではありません。
おそらく「楽しかった」程度で終わってしまいます。
これでは確かに、将来の幸福度が高まるはずがありません。
一方で、ある日の通勤時間中に、介護福祉士やケアマネジャーの試験勉強をして過ごしていたとします。
眠かったり、疲れている時の勉強は苦痛を伴うかもしれませんし、幸福度は下がってしまうでしょう。
しかし、その苦痛を続けることで知識は確実に増えていきます。
介護福祉士やケアマネジャーの資格という資産を手に入れることができれば、今より収入が増えたり、新たなステージで活躍することが出来るかもしれません。
つまり、将来の幸福度は格段に高まることになります。
時間管理をポートフォリオする
ポートフォリオとは
現金、預金、株式、債券、不動産などの金融商品を、何をどれくらいの割合で組み合わせて保有しているのかを意味しています。
では、何のためにポートフォリオを組むかというと、自分が持っている金融資産を、できるだけリスクが少ないように管理しつつ、増やしていくためです。
これを時間管理に置き換えて考えてみると
自分が持っている時間を、どのタイミングで、何のために、どれくらい投資すればよいか。
ということになってきます。
〇〇までに□□を済ませなきゃ。
などと単純に目の前のタスクを完了していくだけの作業ではなく、同じ時間を投じてもどれだけの成果を生み出せるか、転じて同じ時間を投じるなら、より成果の多い時間の使い方を選びましょう。という趣旨になります。
ここで冒頭でもお伝えした内容をふり返ってみましょう。
仕事ができる人材(上司、先輩、部下、同僚など)に最高のパフォーマンスを出してもらうため、自分の時間配分を変更したり、ちょっと仕事が遅い新人さんに時間を意識してもらうための教育にもなり得ます。
仕事ができる人ほど、自分の時間配分を調整し、トータルバランスを考えながら将来的なポートフォリオ管理を実践しています。
このような考え方ができれば、いま自分がやらなくてはいけないことが見えてきます。
常に自分が主役である必要はないのです。
ぜひ、時間管理をポートフォリオすることを意識してみましょう。
仕事は1週間単位で配分する
時間のポートフォリオは、長期的な感覚をもって組む方が有益とされています。
しかし、目の前の仕事に追われている介護士は1日の配分が精いっぱいです。
それでも、ここでは1週間で配分することに挑戦してみましょう。
なぜ1週間なのかというと、人間か管理できることは最大で「7つ」までと言われているからです。
人間が短期的に記憶できる容量は7個前後といわれており、様々な法則や理論で証明されています。
よって
時間管理も「7日間」とイメージした方が実践しやすいというわけです。
冒頭でも説明した通り、長期的な感覚を持った方が良いとされていますが、まずは7日間で予定を組んでみましょう。
1日目は〇〇に時間を3時間使う。
2日目は△△に時間を2時間使う。
3日目は□□に時間を4時間使う。
といったように、何にどれくらいの時間を投資するのかを決めるのです。
慣れてくると、今の能力でどれくらいの成果が出せるのかが分かってきます。
そうなってくると、今度は
1日目は〇〇を2時間で終わらせる(成果)
2日目は△△を1時間で終わらせる(成果)
3日目は□□を3時間で終わらせる(成果)
といったように、何にどれくらいの時間を投資すると成果を出せるのかが見えてきます。
ここで注意しておきたいことは
予定の固定化にこだわり過ぎないことです。
介護現場は得てして予定を覆すイベントが発生します。
スケジュール管理は厳密なものではなく、かなりの余裕をもちつつグチャグチャでも大丈夫です。
時間術の基本「何をするかではなく、何をしないか」
時間を生み出す考え方の本質は、何をいつするかではなく、何をしないか。です。
また、決められたスケジュールを決められたとおりにこなすことが目的ではなくて、今ある時間を何に投資して最大の成果をあげるのか。が一番重要です。
そのため、今これをやれば大きく成果を出せる。と思うことに最大限の時間を投資しましょう。
この考え方をご利用者本位で考えた場合、ご利用者全員を平等にケアするのではなく、あるご利用者にフォーカスして一点集中してみるのも1つの方法です。
なんでも平等性をもって事にあたるより、目的をもってポイントを絞った方が成果がでます。
時間術の基本「仕事はイシューから始める」
仕事はイシューから始めると効率が上がります。
イシューとは、簡単に言えば「目的」のことです。
よく間違えられるビジネス用語に「タスク」があります。
タスクとは、目的を達成するための「手段」のことです。
たとえば
認知症のあるご利用者が不穏となった場合に、介護士の多くは落ち着いていただくための行動にでます。
ここでよくある間違いの事例ですが、大きな声で注意する。などです。
これをイシューとタスクで考えると
イシュー(目的)=落ち着いていただく
タスク(手段)=大きな声で注意する
この事例で考えるだけで、目的と手段の整合性がないことに気づくことができます。
有限である時間を使って、最大の成果を出すためには、先に目的を意識して、その後に手段を選択した方が効果的だと言うことを覚えておきましょう。
ちょっと極端な事例でしたが、目的と手段を一緒にしないように気をつけましょう。
目的に沿って正しい手段を選択できるようになれば、間違いなく成果は上がります。
仕事術の基本「空き時間に話し合いをする」
空き時間を有効に活用する手段は「話し合うこと」です。
とても基本的な事ですが、コミュニケーションは大切です。
介護はチームで成果を上げる仕事ですので、チーム内で意見交換をして情報共有することは成果に直結します。
話し合いをしている間に1人で考えていても思いつかなかった意見が出てきたり、ヒントを得て新しいアイデアを思いつくことも往々にしてあります。
日々の雑談の中で解決できることがいっぱいあります。そういった空き時間に話し合うことを意識することで、仕事の成果が倍増します。
また、よくある悪い事例として
「検討中」「検討します」があります。
なんとなく前向きで聞こえはいいですが、実際は何も決まっていません。何をいつまでに検討するのかといった、期限を設けて生産性を上げていきましょう。
仕事術の基本「他人から時間を買う」
他人の力をかりる。ということです。
つまり、他の誰かに仕事をお願いするということになります。
自分の持ち時間は1日24時間。これは他の人も同じです。
しかし、やらなくてはいけない仕事は日々変化しています。
時には自分1人では到底さばききれない仕事が舞い込んでくることもあります。
そんな時は、他人の力をかりましょう。
とても単純なことですが、それはレクリエーションボランティアを最大限に活用することでした。
ご存じのとおりデイサービスでは様々なレクリエーションを提供する時間が設けられています。
機能訓練系から作業系、娯楽系など様々ですが、それら全ての準備や開催を自事業所スタッフが行わないといけない決まりはありません。
つまり、レクリエーションを外部ボランティアさんに丸投げして、必要な時間を確保していました。
ご利用者からはとても評判が良かったです。それは稼働率にも表れていました。
今はコロナ禍によってボランティアさんは呼べなくなってしまいましたが、様々なボランティアと交流をすることで、レクレベルが格段と向上することもできました。
他人の力を頼ることは、恥ずかしいことではなく、むしろ作業効率を大幅に向上させてくれる可能性がたくさんあります。
ぜひ、お願いをしてみましょう。
最後に
これまで中々成果をだせなかったのは、もしかしたら時間の使い方を知らなかったからかもしれません。
時間をかければ良い仕事ができるとは限りません。時間は成果に比例していないからです。
また
・その仕事は本当に1時間や2時間も必要なのか
・自分が限界だと設定している作業時間は本当に正しいのか
こういった視点がとても大切です。
ふり返りになりますが
自分の能力を上げようとしたり、個人の能力で何とかしようとせずに、チームとして結果を残せる時間の使い方を意識する。
何をしてなくていいのか、何に最大限時間をかけるのかを考える。
無理なことは他者に協力してもらって、新たな時間を生み出す。
こういったことを意識できるようになって、限りある時間を今まで以上に上手く活用できるようにしていきましょう。
今回は時間に対する考え方や活用方法を記事にしてみました。
誰かのお役に立てれば幸いです。
それではまた!